REPORT 015
2021.03
新型コロナワクチンの副作用
日本でも医療関係者を対象にワクチン接種が始まり、副作用について分かってきたことがあります。「アナフィラキシー」に関することです。
アナフィラキシーというのは、特定の食べ物(そば、ピーナッツなど、個々人によって異なる)を摂取した場合や、ハチに刺された場合に生じる「急性・全身性のアレルギー反応」で、じんましん、息苦しさ、くちびるの腫れなどが生じます。
それが高じて、急激な血圧低下や意識を失うなどの「ショック症状」が生じると、「アナフィラキシーショック」と呼ばれ、緊急に治療しないと命にかかわります(アドレナリンというホルモンを注射する)。
現在日本で打たれているワクチンは、米国ファイザー製で、アナフィラキシーが生じます。その頻度は「米国副作用報告システム」によると、全米で189万人に打った段階で21人。「100万人につき11.1件」とされてきました(MMWR 2021;70;46)。
ただこの発症頻度は、おそらく低すぎます。そもそも米国の副作用報告システムなるものが、ある意味「ザル」のような代物だからです。
というのもこのシステムは、ワクチンを接種された人が(自身に生じた)副作用を報告するのがメインであるため、報告されないケースが山のようにあるはずだからです。死人に口なし、にもなります。したがってこの報告システムから発表される、副作用の頻度や率は「過少」であるはずです。
これに対し日本は今のところ、被接種者は病院職員であるため副作用を把握しやすく、全国のメディアも鵜の目鷹の目で副作用情報を集めている。それゆえ日本で公表される副作用情報のほうが真実に近いだろう、と思っていました。
そうしたら、3月9日までに国内で接種を受けた人は計10万7558人、アナフィラキシーと報告されたケースが17人、と報道されました。全員が女性です(接種対象の医療関係者は、ほとんどがナースをふくめ女性職員、ということが関係しているでしょう)。
これだと発症頻度は「100万人あたり158件」になります。米国の14倍です。
日米でこれほど差がついたのは、①前述のように米国の副作用報告システムがザルであることのほか、②日本人には副作用が生じやすい可能性があります。
ただ、もし日本人はワクチン副作用が生じやすいとしても、かならずしも体質の違いを意味しません。
ワクチンは世界中で同じ薬量が接種されているため、体格が貧弱な人が多い日本人では「相対的に過量」になっている可能性があるからです。そもそも体重が40Kgの日本人女性と、80Kg以上はあろうかという「ビア樽型肥満」の米国女性に、同一量を打つことに無理があります。
別の話題は、ワクチン接種部位に生じる「遅延型の局所反応」です。
3月になって、接種してから4日~11日たった人に生じる、皮膚の炎症症状が写真つきで報じられました(下図)。
この症状の発症には、ワクチンによる免疫刺激が関係していると考えられます。免疫システムの働き方からして、からだの中の組織や臓器にも、こうした遅延反応が生じることがある、と思っていたほうがいいでしょう。
全員が、米国モデルナ製のワクチン接種後ですが、ファイザーワクチンと製法が似ているので、ファイザーワクチンでも生じていると考えられます(論文著者らはモデルナワクチンだけを打っていたのでしょう)。
同じ症状は日本人にも生じると思いますが、それが報告されるかどうかが、日本の副作用報告システムの信頼性をはかる試金石になるでしょう。
なおワクチン接種後の死亡ケースをどう考えたらよいかは、重要医療レポート⑬で検討しています。
なお本HPには、以下のようなレポートもありますので、参考にしてください。
レポートの目次:①~⑪はコロナ以外の事項についてのレポート
レポート⑫:新型コロナ治療薬は信用できるか
レポート⑬:ワクチン副作用(死)の判断方法
レポート⑭:インフルエンザも「ただの風邪」
レポート⑯:ワクチンによる副作用死を隠ぺいした実例
レポート⑰:ワクチン後に死亡した6人の本当の死因
