近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来

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治療の真実を知ろう!

近藤誠
重要医療レポート

REPORT 013

ワクチン副作用(死)の
判断方法

わが国でも新型コロナのワクチン接種が2021年2月17日に、医療関係者を対象として始まりました。これから順次、接種対象が広げられていくはずで、効果があることを願うばかりです。

ただ新型コロナのワクチンは、まったく新しい製法によるため、副作用が気になります。「死亡することはないのか」、というのが皆さんのお気持ちでしょう。

すると3月になって、死亡したケースが大きく報道されました。60代の医療関係者(女性)が2月26日にファイザーワクチンを接種したあと、3日後(3月1日)に死亡。死因は「くも膜下出血」と推定され、ワクチンとの関係は不明、専門家らが検討中、と。このケースを例に、ワクチンの副作用かどうかを判断する方法について考えてみましょう。

くも膜下出血というのは、脳に血液をとどける動脈の一部がコブ状に突出した「脳動脈瘤」が破れて生じるのが一般的です。この方もおそらくそうでしょう。

破裂した動脈瘤から噴出する血液は、脳をつつむ膜である「くも膜」と脳表面との間のスペースに広がり、神経を圧迫して、頭痛やマヒなどの症状を引き起こし、死亡率も高い。発症頻度は10万人あたり年20人程度と言われています(https://www.akita-noken.jp/general/sick/brain-nerve/page-2062/)。

つまりくも膜下出血は、ワクチンを接種していない「自然状態」でも生じるので、判断を難しくします。このケースで、出血が自然に生じた可能性はどの程度あるのか、計算してみましょう。

計算の前提ですが、自然状態では(前述のように)10万人あたり年20人が発症する。他方で、2月26日にワクチンを接種されたのは、全国で6,634人(厚労省HP)

すると、これら6,634人のなかで、1年間にくも膜下出血を起こすのは:
 6,634人×20人÷100,000人=1.326人。

これは1年間での人数なので、3日間のうちにくも膜下出血を起こすのは:
 1.326人×3日÷365日=0.0108人。

つまり6,634人のなかで、3日間のうちに誰かがくも膜下出血を起こす可能性は「0.01人」でしかない。規模を広げて66万人の集団になった場合に、ようやく「1人」が発症することになります。

くも膜下出血が(自然状態で)これほど低い確率でしか生じないのであれば、ワクチン接種後に生じた本件では、ワクチンの副作用と認定してよいのではないか?

ご遺族や友人・知人はもちろん、ニュースに接した人でも、「副作用死だ」と直感した方が多いことでしょう。

しかし、こうした発症頻度から、本件が副作用死だと(専門家や厚労省によって)認定されることはありません。なぜならば「くも膜下出血は自然状態でも生じるので、本件ケースの場合、ワクチンとの因果関係は不明である」と。

因果関係とは、「あれなくば、これなし」の関係のことで、ひらたくいえば「原因・結果」関係です。ワクチン副作用に関する原因・結果の関係は、特別厳格に認定されています。その厳格さは、刑事裁判で殺人犯に死刑判決を下すのと同じかそれ以上です。

これまで7600万回分以上の新型コロナワクチンが接種された米国では、CDC(疾病対策センター)によると、ワクチン接種後の死亡報告は1381件(0.0018%)。その中でワクチン接種が死に結びついたという証拠は、これまで一つも上がっていない、と。──これも因果関係判断を厳格にしているからでしょう。

因果関係を認定するのは、日本でも欧米でも、製薬会社と関係が深い医師や、政府機関など、ワクチン事業を推進している人たちです。かりに因果関係の判断をゆるめて、副作用死と認定されるケースが次々生じてくると、ワクチン接種をうける人が減って困るはずの人たちです。そういう人たちに、因果関係の判定をゆだねるのが妥当なのでしょうか。

ことに日本は厳格です。この点コロナ以前から、ワクチンによる副作用かどうかは、厚労省傘下の(ワクチンの専門家からなる)「審議会」が最終判断をくだしてきました。今回のくも膜下出血のケースも、おそらくここで判断されることになるでしょう。

ところが審議会では、次のようなケースに対し、ありえないような判断がくだされています(詳しくは拙著『ワクチン副作用の恐怖』文藝春秋)

事例1

アルツハイマー病で心房細動などの不整脈がある94歳の女性。肺炎球菌ワクチンの接種をうけた35分後に、全身状態が悪化。その15分後、つまり接種した50分後に、死亡確認。

審議会の
判断

ワクチン接種後、短時間で死亡に至っているが、情報不足のため、ワクチン接種との因果関係は判断できない。

僕の
コメント

その後も情報を集めるわけではなく、このまま「因果関係不明」、つまり「ワクチンの副作用死ではない」と扱われたままです。

事例2

発達障害のため向精神薬を飲んでいた10歳の元気な男児。小児科診療所で日本脳炎ワクチンを接種したら、その5分後に心肺停止状態。救急措置をするも、2時間半後に死亡確認。

審議会の
判断

この患者は、ワクチン接種とは直接関係のない不整脈によって死亡したと考えられる。要するに、因果関係はない、と。

僕の
コメント

この男児は発見されたとき、すでに心臓は止まっていました。不整脈というのはでっち上げです。それに仮に不整脈が生じたとしても、その原因はワクチンでしかありえない。
このように厚労省(審議会)は、因果関係を否定するためには、平気で理屈や事実認定を違えてくるのです。

これらのケースで因果関係を否定すると、およそ日本では、因果関係が認められる死亡例はありえないことになります。新型コロナのワクチンでも今後、どのような死亡ケースが生じても、副作用死が認定されることはない、と予想されます。

なお本HPには、以下のようなレポートもありますので、参考にしてください。
レポートの目次:①~⑪はコロナ以外の事項についてのレポート
レポート⑫:新型コロナ治療薬は信用できるか
レポート⑭:インフルエンザも「ただの風邪」
レポート⑮:新型コロナワクチンの副作用
レポート⑯:ワクチンによる副作用死を隠ぺいした実例
レポート⑰:ワクチン後に死亡した6人の本当の死因

近藤誠

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