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ガン治療で殺されないために 抗がん剤は効かない!?/近藤誠医師
ナレーターあなたは、こんな言葉を信じますか。
がんは手術するな。
抗がん剤は効かない。
がん検診は受けるな。
こんな持論を展開しているのは、元大学病院の医師、近藤誠。
30年間、日本人の死因第一位、3人に1人ががんで亡くなるという統計が出ている中で、医療界の常識を覆す数々の意見を30年間訴え続けてきた、異端の医師。
彼は、乳がんの治療で乳房を全摘出するのは当たり前だった時代に、がんの部分だけを切りとる温存療法を日本に広めた先駆けでもある。
これまで、著書を30冊以上も出版し、常に注目を集め続ける。
2年前に発売された『医者に殺されない47の心得』は、108万部のベストセラーに。
さらに、がん治療ににおける先進的な意見を一般人にもわかりやすく発表し続けてきた功績を讃えるとして、菊池寛賞も受賞した。
しかし、彼の意見は間違っていると医療界から指摘も多い。
近藤誠かなり理解されにくいと思ってる。
ナレーターそんな彼による最も異端と呼ばれる理論が、がんには本物のがんと、がんもどきがある。がんの9割は、治療するほど命を縮める。
放置が一番。
そして、我々は彼のいう通りに、がんを放置している患者にも取材。
近藤食道がんのほうが、なんか小さくなってる。
患者ええ、小さくっていうか、消えた。
ナレーターなんと、がんが消えてしまったという。
いったいこれはどういうことなのか。
そして、なぜ近藤は、これらの治療法を提唱するようになったのか。
中居さあ、先ほどVTRにもありましたけども、手術はしなくていい、抗がん剤は効かないんじゃないかと。
近藤そうですね。
中居泉さん、これはもうわからないですよね。
泉ねえ。私の父が21年前に、やっぱり、がんで、亡くなったもんですから、今の3つ、全部やってるわけですよ。1年間で3回も手術、受けたんですね。
安住私たちも、最初聞いたときは、うそだろ、そんなわけはない、と誰もが思うんですが、先生の言いたいこと、簡単にまとめるとこちらです。
がんは、原則放置したほうがいい。
本当ですか?
近藤症状がない、自覚症状がなくて生活の質がいい、健康でご飯もおいしいと。
中居おいしい、スポーツもできる。
近藤そういう人に、人間ドックとか、健康診断でがんが見つかってしまった場合、
これはもう放置したほうがいいんですね。
中居申し訳ないですけどまだその勇気がわかないですね。
安住少しまとめてみることにいたしましょう。根拠一つ目、こちらです。
ナレーターそもそもがんとは、遺伝子変異によって異常増殖する細胞集団。
つまり、悪性腫瘍のことをいう。
がん自体に毒性はなく、死亡するのは、腫瘍が重要な臓器へ転移し、呼吸や食事、解毒作用などに、障害を及ぼしてしまうため。
だが、近藤医師によると、がんの中でも、他の組織への進行、転移性が、ないものがあるという。
これを、がんもどきと呼んで区別し、治療は必要ないというのだ。
泉腫瘍とポリープっていうのも、これまた、言い方が違うだけで、これはがんなのか、っていうのも。
近藤いえいえ、ポリープっていうのは良性なんですね。
腫瘍というのも、一般にそれは何か固まりがあるというだけで、その中にはポリープも入ってきてしまうんですね。
中居悪性とか良性とかって言いますよね。それが本物のがんと、がんもどきと。
近藤それはまた違うんです。良性病変というのは、がんではないわけですから。
中居もともとがんではない。
近藤ええ。がんの中に、さらに、たちの良いのと悪いのが分かれると。
中居がん患者、放置している方、どんぐらい診られてきたんですか。
近藤いろんな部位のがんで、数年以上診た方が150人ぐらい。
中居結果、どうなってますか。
近藤ほとんどの方は生存中ですね。最長24年間、乳がんの方、診てますけども、マンモグラフィーで発見された方で、何も起こらない。
中居なんの治療も施してないんですか。
近藤何もしてない。
中居お薬もあげてない、抗がん剤もしてない。
近藤はい。
中居放射線もしてない。
A体調とかとかは、悪化したりとかは。
近藤してません。
Bでも放置する分、何かしなくちゃいけないこともあるんですよね。
中居気をつけなければならないこと。
Bうん。例えば食生活を見直すとか。
近藤いや、別に何もないです。
Bえっ。じゃ、本当に放ったらかし。
近藤はい。
B楽っちゃ楽ですけど。
中居まだ怖いですね。
Bちょっとね。
中居んじゃ、自分がなりました…。
近藤いみじくもおっしゃったようにね、その不安感があるために、がんが発見されたらば、何かしなきゃいけないって気持ちになる。
今がんを治療してる究極の根拠ってのは、この安心感を得るためなんですね。
私が診てきた150人以上の患者さんの大部分はがんもどきと思われるんですけども、何年診ててもそういう方々は転移が出てこないんですね。
逆に、小さくなったり消えたりする方もいます。
C消えることもあるの。
ナレーター東京・渋谷。ここに近藤氏による担当医以外に、病状や治療方針を求めるための、セカンドオピニオン専門外来がある。
近藤どうも、いらっしゃい。
ゴトウありがとうございます。
近藤どうぞ。
ナレーター特別に許可をもらい、近藤氏のいう通り、がんを放置している患者さんに会うことができた。
近藤こんにちは。
ゴトウこんにちは。また3度目のセカンドオピニオン、お願いします。
近藤はい。
ナレーターゴトウコウイチさん、65歳。
近藤向こうからの、異常かなんか、はい。
ゴトウこれと、これが。
近藤去年、4月ごろに、健康診断で。
ゴトウええ、1年前ですね。ちょうど、1年ちょっと前ですか。で…。
近藤胃がんと食道がんを発見されたんですよね。
ゴトウそうです。自分では全然自覚症状がないんですよね。
ナレーターこちらがゴトウさんの診断書。
昨年4月に、進行性の胃がん、早期の胃がん2箇所、食道がんが2箇所見つかった。
当時、近藤氏の本を読んでいたゴトウさん。自覚症状がなかったため、手術を拒否し、放置を選択した。
昨年12月、近藤氏のもとを初訪問。経過を報告し、意見を聞いてきたという。
すると、今年5月。
近藤5月21日に、貧血になった。
ゴトウ貧血っていうか、大量にタール便が出たんですね。
近藤で、連絡があったから、それは、胃がんから出血してるはずだから、それは止めてもらいなさいと。病院に行って内視鏡で止めてもらいなさいとお話しをして、最初は胃がんの部位から出血して。
ナレーターこちらが、内視鏡の写真。
胃がんが1年間で、1センチほど大きくなり、出血していた。
病院での診断によると、ステージⅢ。状況に合わせ、このように対処を提案する近藤氏。だがしかし、がんの変化はそれだけではなかった。
近藤検査をしてそうしたら、食道がんの方が、なんか、小さくなってたと。
ゴトウええ。小さく、っていうか、消えたらしいんですよね。
近藤消えた。
ナレーターなんと、食道がんが消えたのだ。診断書には、胃がんの文字しか載っていない。
近藤もともとね、比較的初期のがんだったから。
そういうふうに消えてしまうことも不思議はないですけどね。
ただし、胃がんのほうは若干大きくなってた。
ゴトウですよね。
近藤まあ、そのままにして。
ナレーターそして近藤氏の指示により病院へ。
クリップという処置をして止血。
だが、がんに対する治療は、やはり行わなかった。
ここで、ゴトウさんに話を聞いてみた。
インタビュアーほっといてる間は、不安だなとかはなかったですか。
ゴトウもう本当にね、それは一切なかったですね。
自覚症状そのものが、ありませんからね、痛いとかね、なんかありゃ、ちょっと変わったのかもしれませんが、痛くもなんともないのにね、だからこのまんま。
インタビュアーこれからもじゃあ、このまま放置をつもりですか。
ゴトウですね。私はだから、治るとは思ってないんです。
現在も。もう何年か、1年か3年か5年か、あるいは10年ね、長生きする可能性も、あるだろうと思ってるんですね。
中居いやあでも、驚きですね本当に。消えちゃうんですね。
安住がんもどきは、要するに悪さをしないので、そのままずっと一緒にもってても大丈夫。
ただ、本物の増殖するがんだった場合はどうしますかというと。
近藤症状がなければ、放っておいたほうがいい。
安住症状がある場合は、手術しても治療しても結局治らないから。
近藤そうです。
安住だめになっちゃうものだから。
中居本物のがんっていうのは基本的には完治することはないですか。
近藤ないです。
ナレーターこの、がんもどき理論には、医療界からの批判が多い。
がんには、進行が速いもの、遅いもの、また、消えるものがあるなどさまざまで、本物ともどきの二元論で判断できるものではない。
進行がんでも、適切な処置を施すことで、治療は可能。
早期発見した進行がんに対して、患者が治療を断り、放置を選択したために、治せたはずのがんが、手遅れになってしまったケースもあるという。
安住近藤誠さんの、がんは原則放置したほうがいいという理論。
つづいて、こちらの提唱をご覧いただきましょう。
近藤実際にこれは、イタリアで行われた比較、子宮頸がんの場合なんですけど。
子宮全摘手術、それから、放射線での治療、この二つのケースで比べてみたところ、生存率はほぼ一緒。
そして再発率も、ほぼ一緒。そして、合併症。
手術した時になにか違う病気をもらってしまうようなこと。
で考えると、全摘したときのほうが可能性が高いと。
将来長生きできそうなイメージありますけど、
簡単な治療を受けた人のほうがトータルでみると、ヘルシーだったと。
そういうデータなんですよね。
中居やっぱり3つ、ね。
がんに対して放射線と抗がん剤と、そして手術、と。
近藤そうですね。この3つを、ね。
手術、抗がん剤、放射線。その中で比べるとね、放射線が一番妥当だと思います。
中居どのがんにでも、ですか。
近藤いやこれは向いてないがんもあるんで。
例えば食道がんには放射線は向いてるんですけども。
今度、胃がんはね、放射線をかけると、あなが開いて死んじゃったりね、大出血して死んじゃったりするんで、基本的にはやらないんです。
泉うちの父のケースは、手術したあとに抗がん剤治療はガンガンやってましたね。
中居副作用も出て。
泉無駄だったということですか。
Aあ、でも、さすがにあなたは切ったほうがいいね、っていうことはあるんですか。
近藤乳がんでね、しこり、がっちりしたものが出てくる人がいるんですけれども、そういうのをほっといても死なないんです。
実はね。乳がんっていうのは体の外にあって、周りに重要な臓器がないから。
だからがんっていうのはその、毒素が出るわけではないわけですね。
で、だけども、こんな、大きくなってしまうと、やっぱり生活の質が悪いし、だからそうなる前に処置するっていうと、やっぱり小さいしこりの段階でね、ちょっとそこだけ取っとけばね、それでいいんじゃないかと。
誤解がないように言っておくと、例えば手術の場合に、痛いとか苦しいとかっていう、そういう時には役に立つこともあるんですね。
あと、抗がん剤が効かないというのもですね、いわゆる塊を作るがんっていうのがあって、胃がんとか肺がんとか食道がん、乳がん、子宮がんとか。
そういう固形がんというのががんの9割を占めてるんですね。
こういうものには抗がん剤は使わないほうがいいと。
それから抗がん剤が効かないというのもですね、例えば血液がんというのがあります。白血病。それから悪性リンパ腫。
これは血液系がんといいます。
こういうものは抗がん剤で治ることが多いんですね。
まあ治んないものもありますけども。
これはあの、今の話とは関係ないです。
それからあと、がんが塊を作るものでも例外的に抗がん剤で治るものがあって、これはでも、数が少ないんですね。
男性の睾丸、タマタマのがん。
それから女性に、妊娠をきっかけに起きる絨毛がんというのがあるんですけども、それからあとは、子供のがんこの3つだけは例外で、抗がん剤を使ったほうがいいだろうと思います。
中居手術をする。抗がん剤を使う。副作用がある。
体が弱っていくことはなくはないですよね。
基本的には、苦しまないこと。
体が自由に動く生活をしていただきたいということですね。
近藤そうですね。
僕が医者になってから一貫して追求してきたのは、いかにしたらがん患者さんのね、状態が良く、生活の質が高くて、しかも一番長生きできる方法を追求してきたんです。
中居それは患者の希望ですよね。理想ですよね。
近藤はい。
ナレーター日本がん治療学会の診察ガイドラインには、さまざまながんについて、基本的には、手術や抗がん剤、放射線などで治療にあたることが記載されている。
さらに抗がん剤については、抗がん剤を専門扱う、腫瘍内科医である、勝俣範之氏が、著書でこう指摘している。
「すべての抗がん剤が、100%効果がないというわけではありません。
効果がある場合もありますし、効果がない場合もあるのです。
単独で完治させてしまうような薬は、まだ少ないのが現状ですが、少しずつではあっても、明らかに、抗がん剤治療は進歩しています。
中居泉さんいかがですか。
泉私はね、父が、ちょっと21年前に、タイムスリップしてですね、近藤先生のお話も含め、いろんな意見を伺った上での…。
中居いろんな、手立てが。
泉うん、あったのかな、っていうふうに。
ただやっぱり父親は、自分自身が選択した上で行ったわけですから、やっていただいたわけですから。
そればっかりはね。
悔やんでもしょうがない。
きょうも「すぐ治療しないと大変なことになる」「手術や抗がん剤治療をしないと余命○カ月」と宣告されたがん患者さんが、何人も駆け込んでみえました。
医者たちは「がんを治療しないとどうなるか」を知りもしないで、脅しているのです。本物のがんを切ったら暴れるリスクや、抗がん剤は固形がんに効かないことを隠して。
また、今までに私がセカンドオピニオンをあずかった10000人の大半は、短すぎる余命を言われ、治療を迫られていました。
そうして無数の患者さんが、手術の後遺症や抗がん剤の副作用に苦しみ、命を縮めて、「まさかこんなことに」と嘆いています。
高血圧や糖尿病などについても、クスリの副作用や後遺症、ボケたり早死にする事実が隠され、数千万人が危険でムダなクスリを飲み続けています。
私はがんを「治療する」「様子を見る」それぞれの見通し、最良と思える方向性、高血圧や慢性病のクスリの減らし方、心の問題などのご相談を受けています。
患者さんが穏やかに長生きできるよう、中身の濃い相談を心がけてまいります。